単品リピート通販(DtoC)事業を行っている業者さんなら非常に気になる特商法改正。
利用規約や、特商法を読まずに注文してしまうユーザーが多く、「定期購入なんて知らなかった」というトラブルが多発しているからです。
きちんと記載している業者も多くいるのですが、小さい、見えずらい、など、ユーザーにとってわかりにくい広告は禁止となりました。
1、どのような法律に変わるの?
政府は2021年3月5日、特定商取引法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。
一部規定について衆議院において修正がなされ、この修正を反映する形で2021年6月9日までに衆参両院において、可決成立しました。その後、同月16日に令和3年法律第72号として公布されました。
特商法の改正案では、通販の定期購入において、広告画面(ランディングページ、LP)で、定期購入の契約期間や内容、解約条件について表示することを義務付けている。
違反した場合、業務停止命令などの行政処分の対象となる。定期購入であると誤認させる行為をした場合、消費者が申し込みの取り消しができる規定も盛り込んだ。
簡単にまとめると、
1、LPに、定期購入なのかどうかをわかりやすく書く
2、購入回数に縛りがあるのなら、LPに、縛りの回数と総額表記をする
3、定期購入であれば、LPに、どうやって解約するか記載する(電話なのかメールなのか、営業時間はいつか)
4、「定期購入であると誤認させる行為」⇒モニターや、お試し、サンプルなどの誤認表示をすると罰則の対象
5、「消費者が申し込みの取り消しができる規定」⇒利用規約に関係なく、顧客が契約解除できる
ということです。
ユーザー保護を第一に考えれらていますね。
1~3のLPへの表示義務に違反すると、業務停止命令や業務禁止命令などの行政処分の対象となる。
購入確認画面での期間・総額表示義務と4,5の誤認表示の禁止については、直罰規定が設けられた。
購入確認画面での期間・総額表示義務に違反した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる。
4、5に違反した場合、100万円以下の罰金が科されることになる。
かなり厳罰化されていて、「3年以下の懲役」もあり得るわけです。
身柄の拘束は厳しいですね・・・
2、なんでこんなに厳罰化になったの? 危険な事例
適格消費者団体の京都消費者契約ネットワーク(=KCCN)が2019年9月13日、複数回の定期を条件とする”定期縛り”の是正を求め、健康食品通販のロータシア製薬を、京都地裁に提訴した。差止請求から、わずか1カ月弱のスピード提訴。「具体的な修正内容はともかく、要請に応じるか否かの回答は時間のかかるものではない」(事務局)と提訴に踏み切った。
ロータシア製薬は、販売するサプリメント「マヌカジンセン」について、定期購入契約を前提に「1袋分無料」(送料300円のみ)と、初回無料を強調して販売していた。実際は、10日後に4カ月分(20袋、税込3万9600円)の購入が必要な契約。「1袋分のみ、無料で購入できるかのように誤認する」(同)として、景品表示法の「有利誤認」にあたると指摘している。
この業者、初回300円で購入すると、10日後の2回目に20袋、税込3万9600円のサプリが送付される仕組みで販売していたようです!!
さすがにこれはやりすぎですね!! 10日後に20袋きたら、さすがに驚きます。
しかも定期購入であるとか、コースの説明は一切なかったようで、消費者センターにクレームが殺到したようです。。。
また、このような電話勧誘での特商法違反の事例があります。
消費者庁は12月10日、焼酎や水の通販を行う財宝に対しても、定期購入に関する特商法違反で、電話勧誘販売の際に、当該契約が定期購入であり、商品の支払い時期によって販売価格が異なる場合は、代金の支払い時期および引き渡し時期について、必ず購入者に告げるよう指示を行っている。
財宝は健康食品の電話勧誘販売の際に、初回100円で勧誘していたが、2回目の以降の販売価格や支払い時期、引き渡し時期について一切説明していなかった。しかし、1回目の商品到着時に導入されていた書類に、定期購入契約が締結された書類を封入していた。
初回100円のみをうたって、2回目以降、定期購入を隠して販売していたようです。
このような、似た事件が多発していて、ついに厳罰化に踏み切ったという状況のようです。
3、今後の対策方法は?
表示をきちんと守らないと大変なことになります。
そのため、表示をごまかさず、しっかり記載することになります。
そうなると、回数縛りの定期コースは総額表記で20,000円とかを記載しなければならないため、
CVRは落ち、アフィリエイターもやりたくなくなるのではないでしょうか?
縛りなしの定期コース、もしくは単品買い切りのコースが主流となっていくと予想されます。
4、まとめ
厳罰化される定期購入の表示ルール。
DtoC業者には厳しい法改正ですが、ピンチをチャンスととらえ、
新しい販売方法の開発が必要となります。